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父への尊敬を、捨てろ。

「尊敬する人は誰ですか?」 よく聞かれる言葉です。

みなさんもよく質問されるのではないでしょうか。

そしてそのとき「父を尊敬しています」などと答えるととても周囲から共感を得ます。

手放しで、よいことだ、と。 恐らく先人を敬う、お世話になった両親を敬うことは素晴らしいことだ、という常識に依拠しているのでしょう。

私は5年前に父から会社を承継しました。

そして経営していくうちに、「父をもっと尊敬すべきだ」「先人を大切にすべきだ」のようなことをたくさん言われました。

そのたびによくわからなくて、当時は「そうですよね」「尊敬しないとですね」などとごまかして答えていたのですが、

「そもそもなぜその概念が生まれたのか?」

「今の世の中で本当に”尊敬”という概念が必要なのか?」

ということをずっと考えるようになりました。

もちろん、親に感謝はすべきでしょう。 そもそも生を受けたのは誰あってのことか。 ここまで自分や会社を育ててくれたのは誰か。

いくら感謝しても足りないのかもしれません。

でも親への尊敬という概念が大きすぎる共感を生む、今の世の中にはずっと違和感がありました。

そして、一つの解が見つかりました。

 

たとえば石器時代を考えてみます。

最古の人類と言われるアウストラロピテクスが200万年前に出来てから、テクノロジーの力で人間は世界を制圧しました。

もちろん身体能力では像やトラにかないませんが、石や火や知恵を使い、そういった動物を駆逐していったのです。

石や火が主役の時代は190万年続きました。 その間、テクノロジーは少しずつ進歩したものの(おそらく)、大きく進化はしなかったのです。

つまり大きく時代は変わらなかったのです。

「先人への尊敬」は恐らくそのときにできた概念だったのではないでしょうか。 だって、時代は変わらないのです。

親の世代の言うことを聞き、そこから学べば、まず間違いなくうまくいったのです。

親を尊敬しない人は淘汰されていったでしょう。

その後人類はホモ・サピエンスになり、時代は大きく変わっていきました。

文字ができ、農耕ができ、工業化が進み、インターネットができて、そしてAIができます。

その変化のスピードは等比級数的に増しました。

人類史の99%は先史時代で、残りの1%の期間で 文字の発明から現代まで来ていると言われるくらいです。

一つの技術の進化はまた違う技術の進化と組み合わさり、さらなる技術を生みます。

今後、さらにそのスピードは増すでしょう。

 

事実、自動車社会になったのは50年前なのに、もう自動運転の車が生まれようとしているのです。

ガラケーが普及したのは15年前なのに、横に目をやればスマホを操作している人しかいません。

親世代と自分たち世代では30年近くの隔たりがあります。

これからはその期間に、多くの新しいテクノロジーができ、そして人間の生き方に、価値観に影響を 与えます。

もちろん、人のものを盗んではいけない、や人のために役にたたないといけない、といった 普遍的な価値観はあるのでしょうが、

人間は平等だ、と言ったら200年前の人に笑われるでしょうし、 労働は美徳だ、と言ったら30年後の人に笑われるでしょう。

そんな中、前の時代の価値観を「尊敬」し、ありがたがることは、現代では合理性を欠いています。

尊敬自体に問題があるというよりは、尊敬という美旗のもと盲目的になっていることに問題があります。

全ての概念や常識には必ずできた経緯があります。

そして常識は、それがあると世の中の生産性があがるとか、うまく物事が収まるとか、時代時代における 合理性が生み出します。

ただ時代が変わった結果、その常識の必要性は変わってきます。

役割を変化させる べき、終えるべき常識は間違いなく出て来ます。 後継ぎ息子の重大な使命は、親を超えることだと思います。

 

「感謝はするだけど盲目的な尊敬はしない」

 

それこそが、変化の速い時代において最も大事な姿勢なのではないでしょうか。

 

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